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貫井徳郎、北村 薫、米澤穂信、島田荘司/小学館文庫/552円/2012.5.13.読了
松尾由美/ポプラ文庫ピュアフル/560円/2012.5.12.読了 中山七里/宝島社文庫/600円/2012.5.10.読了 石持浅海/光文社文庫/552円/2012.5.10.読了 太田忠司/幻冬舎文庫/686円/2012.5.9.読了 我孫子武丸/徳間文庫/657円/2012.5.7.読了 似鳥 鶏/創元推理文庫/580円/2012.4.30.読了「まもなく電車が出発します」のほうを先に読んでしまったのですが、やっと手に入れました。シリーズ第1作「理由あって冬に出る」。 とある高校の芸術棟という建物を舞台にした青春ミステリです。この建物、いつごろ何のために建てられたのか不明のようです。ぼろぼろみたいです。そんで、文科系サークルの巣窟になっているようです。文化部は部員が少なく、存続の危機にさらされているため部員獲得に躍起になっている人たちもいるようです。 主人公の葉山君は美術部なので、とうぜんこの芸術棟の住人。芸術棟に「フルートを吹く幽霊がいるらしい」といううわさがあり、さらに「壁男」なる奇怪な幽霊のうわさが追い打ちを掛けています。この噂の真相を確かめるべく、主人公・葉山君が駆り出される…というお話です。密室状況のなかで、いかにして幽霊を出現させるか、そしてその目的は?というちゃんとしたミステリになっています。部室の図解入りです。さすがは創元推理文庫。 どっちかと言うとやる気のない主人公・葉山君。頭がよく、好奇心旺盛で、人(葉山君)を顎でこき使う先輩、そして、芸術棟に住まう奇人変人たち…という青春小説の要素もたっぷりです。テイストは似てるけど、でも、やっぱり米澤穂信のほうが好みです。 評価 良 ![]() 東野圭吾/集英社文庫/1000円/2012.4.28.読了東野圭吾/集英社文庫/952円/2012.4.28.読了 友人・Rと温泉旅行に行ったときに、話題になった本。「白夜行」の雪穂と「幻夜」の美冬が同一人物か別人なのか…。私は別人説。Rは同一人物説でした。「確かめて」と言われ、このぶ厚い2冊が送られてきましたよ。改めて読んでみて、同一人物と作者は設定している可能性が高いと思いました。 根拠は「美冬の容貌に関して『アーモンド形の目』と言う描写がたびたび出てくる。この目の形は雪穂の特徴」「美冬は雅也に“セックスで射精しないこと”を求める。これは「白夜行」の桐原をなぞったもの。」など。 時系列的には「白夜行」の後、店を拡張し“ホワイトナイト”という店舗で、雪穂と本物の美冬が働き、事業に失敗した雪穂が美冬とともに1年間外国で過ごす。帰国直後、神戸の美冬の実家に二人で訪ねたところ、阪神大震災に遭遇。というカンジでしょうか。美冬とその両親が地震で死亡したので、雪穂は過去を消して新しい人生を始めるために、美冬になり替わったという筋立てのように読み取れました。 しかしながら、やっぱり私は雪穂と美冬が同一人物であることには違和感がぬぐえません。「幻夜」の美冬の初登場シーンでの印象で「20代」とありますが、雪穂ならばこの時は30台のはずです。美人は若く見えるので、20代でも通ると思いますがやはり変。それと、2人の性格が違いすぎるのです。「白夜行」の雪穂は確かにどんな汚い手を使っても目的を達成するのですが、それでもある意味高潔な人格を感じさせました。もちろん実行犯である桐原がいるので、自分は手を汚さなくてすんだのかもしれませんが。「幻夜」の美冬は身体を使って男性を籠絡することが多いこと、外見的な美に対する執着が強いこと。この2つが雪穂のキャラクターじゃないと感じるのです。それと、美冬は関西弁を使うところにも、違和感があります。大阪出身なのに幼いころから意図的に標準語を使い続けた雪穂が、相手に気を許させるという意図があるにせよ、関西弁を使うとは思えません。もしこの2人が同一人物としたら、桐原を失った雪穂の人格が崩壊し、別人格になったと解釈せざるを得ません。 初読の時も、2人のキャラクターの違いから、「雪穂の店に勤めていた店員が、雪穂にあこがれて、外見も生き方もコピーしようとした。それが美冬」と解釈しました。なので、私にとって美冬は「雪穂のコピー・劣化版」です。 この問題は、Rと私以外の読者も疑問のようです。ネットでも議論になっていました。作者は「読者(の解釈)に任せる」というスタンスのようですね。 六車由美/医学書院/2000円/2012.4.27.読了医学書院「ケアをひらく」シリーズ。最新刊です。 今回は民俗学で大学の准教授から高齢者施設の介護士に転向、という好奇心をそそる経歴の方が著者です。 彼女が老人ホームで出会った老人たちの話。手が届くほど近い過去なのに、失われつつある昭和の庶民の生活がそこには埋もれています。という、民俗学的な興味をそそられる話と老人たちの話を聞くことが、援助になるというケアとしての話の2つの側面から読むことができます。特に、認知症に効果があると思われている『回想法』と著者が行っている「聞き取り」の相違について書かれた章が興味深かったです。治療とか援助とか介護って、ある意味窮屈なものであることを痛感しました。でも、枠をはめないと、普及はしないというジレンマ? それと、「驚き続けることの困難さ」が私自身の実体験とリンクして読むことができました。いつも生き生きとした関心を持ち続けることは難しいし、生き生きとした関心を持つことが非能率と結びつくことがありますよね。 「逝かない身体」「リハビリの夜」「驚きの介護民俗学」の3冊のいずれにも、あとがきに「シリーズ ケアをひらく」の編集者・白石さんのことが書かれています。この白石さんにお会いしたことがあります。穏やかな物腰で、しかも子どものような好奇心を持った知的な方でした。 評価 良 貴志祐介/角川文庫/667円/2012.4.26.読了嵐の大野君主演の月9ドラマ「鍵のかかった部屋」の原作です。 ドラマは1話と2話に当たる話のほか2話が収録されています。 “佇む男”…葬祭サービスの社長が密室状況の中死体で発見された。がんの末期だった社長はそれを悲観して致死量のモルヒネを自分で注射し、自殺したと思われたが…。 “鍵のかかった部屋”…榎本の知り合いの男性が数年ぶりに甥と姪の家を訪ねたところ、甥が練炭を使用した一酸化炭素中毒死を。鍵が掛かり、目張りがされた部屋の謎を解くことができるのか…。 “歪んだ箱”…結婚を機に家を新築したが、とんでもない欠陥住宅で窓やドアが開かなくなってしまう。業者と対立した男は、彼を殺すことを決心するが…。 “密室劇場”…前作で登場した劇団・土性骨が再登場。舞台の左手の楽屋で死体が発見された。演出上、俳優たちはすべて右手の楽屋に。衆人環視の舞台の上、死体のいた楽屋に行けたのは誰!? 知的でクールなはずの青砥弁護士がどんどん壊れていきます。ドラマの青砥弁護士はある意味すでに壊れているので、この役回りは佐藤浩一ですね。楽しみです。ドラマはオープニングもオシャレでとても好き♪ 評価 良 霧村悠康/徳間文庫/581円/2012.4.25.読了本屋の片隅にひっそりとあり、気がつかないところでした。霧村悠康の新刊。 医学部6回生の浄念寺宗悦が主人公。書店で偶然見つけた自費出版の本に、母親が異常を訴えて何度も検査したのに癌を見逃され、手遅れになってしまってから治療を開始。結局死亡…という手記が書かれていた。イニシャルになっていたが、自分が通う大学の付属病院であることが明らかだったので、持ち前の好奇心がうずき、過去を探り始める…。 隠されていたのは、患者を実験材料にする製薬会社と医学部の教授たちの黒い欲望!…って、いつものパターンです。今回は男性が主人公。眉目秀麗で、成績優秀。そして、謎を探るためにはバーテンダーに身をやつし鍵を握っている人物に接近。という現実離れした主人公です。すっごい男前!のはずなのに、読んでいるうちに、それをつい忘れてしまうのは、宗悦という爺むさい名前と、オタクっぽい言動のせいです。 評価 可 朝井リョウ/集英社文庫/476円/2012.4.24.読了第22回すばる新人賞受賞作!ってことで、単行本が本屋に積んであった当時から興味がありました。 文庫化されたので、早速購入。 とある高校のバレー部部長・桐島くんが部を辞めたことで起こる波紋が、5人の登場人物を通して描かれる青春群像劇…ってカンジでしょうか。 桐島くんが辞めたことで、レギュラーのポジションを得た小泉風助。 自分の居場所が見つけられないまま、でも一生懸命部長を務めるブラス部の沢島亜矢。 学校の中ではイケてないポジションだけど、自分たちだけの夢を見つけている映画部の前田涼也。 外見を整えイケてる女の子のグループだけど、家庭の事情を抱えるソフト部の宮部実果。 運動神経に優れ、頼まれて野球部の部員になっている菊池宏樹。 そして、文庫版には“東原かすみ 14歳”の章が追加されています。 全体的には、「もはや若い感覚の小説にはついていけない」と言う感想でした。断片的に投げ出すような語り口が合わないのです。印象的だったのは、高校と言う狭い世界の中で、イケてる・目立つ=上、イケてない・目立たない=下、という格付けがなされていること。そして、私の一番お気に入りのキャラクターはそのイケてない男子・前田くんでした。小説の中でも、もっとも上のはずの菊池くんが前田くんにあこがれの気持ちを持つというくだりがあります。 評価 可 貴志祐介/角川文庫/667円/2012.4.22.読了防犯探偵(?)・榎本径シリーズ以外の貴志祐介の本を読んでみました。 「青の炎」は嵐の二ノ宮くんが主演して映画化されたことは知っていて、ちょっと興味があったのです。 高校生・櫛森秀一は母親と妹の3人で平和に暮らしていたが、母親の過去の再婚相手が住みつき、生活がめちゃくちゃに。酒におぼれ、賭けごとにお金を費やし、妹にも陰湿な視線を向けるその男を、母親はなぜか追い出そうとはしない。法的な手段に訴えようと弁護士に相談するが、高校生の身の無力さを知る。なにものも守ってはくれないことを知った秀一は、自らの手を男を排除する計画を立てる。もちろんそんなダニのような男のために自分の人生を棒に振る気はない。目指すは完全犯罪! という倒叙ものです。(高校生だけど)犯罪者としての心理と普通の(と言ってもけっこう賢くて大人びています)高校生としての生活が重層的に描かれています。完璧な計画を立て実行したはずなのに、破たんしていく秀一君が気の毒…ラストはとってもせつないです。ミステリ&青春小説。しかも犯人が主人公という珍しい1冊でした。 主人公・櫛森秀一くんは(殺人犯だけど)魅力的な人物です。二ノ宮くんが演じているところを見たかった。イメージ合ってます。 評価 良 米澤穂信/集英社文庫/495円/2012.4.21.読了父親が亡くなったため、大学を休学して、伯父が経営する古書店に勤める青年・菅生芳光。ある女性から父親が書き残した5つの物語を探してほしいと頼まれる。学費稼ぎのために依頼を引き受けた芳光だったが…。 この5つの物語はいずれも同人誌など一般的に出回らない書籍に収録されている可能性があり、その書籍も父親の昔の交友関係もすべて不明という雲をつかむような話です。この物語を探すプロセスがミステリの1つ。父親がなぜ物語を書いたのか、父親と母親の過去に何があったのか、がその2。そして、5つの物語がすべてリドルストーリー(結末のない物語)であり、依頼主の持っている結末とどうつながるのか、が3つ目のミステリ。さらに、主人公の菅生芳光がどう生きていくのか…が4つ目? 重層的にストーリーが組み合わされた箱根細工のような物語でした。全体を覆う絶望感?倦怠感?閉塞感?行き場のない感じも、雰囲気を醸し出しています。 評価 良 貴志祐介/角川文庫/667円/2012.4.20.読了「硝子のハンマー」に続く青砥純子・榎本径シリーズの2冊目です。今度は連作短編集。 “狐火の家”…中学生の女の子が自宅で殺された。同時に金塊がなくなっている。家出した長男に嫌疑が掛かるが…。 “黒い牙”…蜘蛛の収集家が亡くなり、残された蜘蛛たちをめぐって未亡人とマニアが対立。巻き込まれた青砥弁護士は…。 “盤端の迷宮”…プロ棋士の他殺死体がホテルの一室で発見される。鍵もチェーンも掛かった密室を榎本径は開けられるのか?! “犬のみぞ知る”…前作「硝子のハンマー」に登場した秘書が再登場。彼女が所属する劇団で殺人事件が起こる。容疑者の俳優たちは変人だらけ…。 これでもか、これでもか、と密室が登場します。“狐火の家”なんて2つも出てきます。密室にもこんなにバリエーションがあるとは!それと、防犯以外にもいろんな豆知識がわんさか出てきます。貴志祐介って、ホラーの人として認識してましたが、パズルのようにきっちりしたミステリを書く人なのですね。凝り性です。 ドラマのほうは、毎回密室のミニチュアが出てくるのが楽しいです。美術さんの腕、爆発です。 評価 良 唯川 恵/新潮文庫/438円/2012.4.20.読了友人・Rちゃんがくれました。 唯川恵、読んだことありません。官能小説を書いている人? 最近出した本では、ネットの評価が真っ二つに分かれていましたね。 この本は短編集でした。女性を主人公にしたエロティックな小説です。 森奈津子さまのご著作のファンとしては、ノーマルな性愛をノーマルに描いたこの本は物足りなくて…。 評価 可 貴志祐介/角川文庫/743円/2012.4.20.読了月9の「鍵のかかった部屋」が、予想外におもしろかったので原作を読んでみました。 密室ものばかり出てくるミステリのシリーズです。 株式上場を控えた介護サービス会社で、社長の死体が発見される。どう見ても他殺だが、死体は二重三重の密室状況に。容疑者になった専務から依頼された弁護士・青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径と真相を探り始めるが…。 おおっ、青砥純子と榎本径のキャラクターがドラマとまったく違います。ちょっとびっくり。それと佐藤浩一が演じる弁護士が原作には登場しません。ドラマの第1話はシリーズ3冊目の話を使っていることもあり、まった別物として、読みました。 介護サービス会社の新しい売り物として、介護ザルと介護ロボットが出てきます。殺人に、この介護ザルとロボットが使ったのではないかと考えるところがおもしろかったです。介護犬はありますが、サルもいいですね。作中に登場するのは小さいサル2匹で、とってもかわいかったです♪ この小説は、前半は捜査する側から、後半は犯人の側から描かれた章に分かれていてミステリとして凝ってます。 評価 良 百田尚樹/幻冬舎文庫/724円/2012.4.18.読了百田尚樹の新刊。 ボクシングに生きる少年たちとその友情、特攻隊、ハチの社会、そして、この本と次々とまったく異なる世界の本を、早いスピードで出していて、驚くばかりです。 容姿に恵まれず幼い時からひどいいじめに遭い続けてきたヒロインは、事件を起こし故郷を追われる。ふとしたことから整形に取りつかれ、完璧な美を求めて、風俗でお金をためながら手術を繰り返すようになる。彼女の胸にあるのは、幼時の初恋の少年。絶世の美女と言うまったく異なる外見を得て、故郷に帰ってきたヒロインは…。 作家はヒロインの容姿を呵責なまでに醜く設定しています。私は整形美容には否定的ですが、ここまで外見が不幸をもたらすのならば整形して新しい人生を手に入れなければならないヒロインに納得できます。お金に困って、風俗に勤めようと思っても、断られてしまうほどなのです(結局SMクラブでM嬢に)。整形に取りつかれたヒロインが、歯をぜんぶ抜いてあごの手術をする箇所は圧巻でした。 この本に登場する男性たちは、醜い時はヒロインに冷たく、美貌を得た後はちやほやするという許せない男たちばかりですが、ヒロインが風俗の扉を叩いたときに出会った男性と、整形外科医だけはよかったですね。 作者が美容整形について綿密な取材をしたことが、この本を読むと伝わってきます。「蒙古ひだ」って、何か気になってしまい、調べてしまいました。「蒙古ひだ」の正体は分かったけど、自分の目を観てもあるのかないのか分かりません(笑)。日本人にはたいていあるそうなので、きっとあるのでしょう。おかげで、芸能人の目に目がいくようになりましたよ…。 評価 良 恩田 陸/祥伝社文庫/619円/2012.4.17.読了恩田陸の新刊。もう恩田陸は読むのはやめようかと迷っているのですが、表紙がカッコよかったので買ってしまいました。「象と耳鳴り」の装丁もカッコよかったし、やるな祥伝社文庫ってカンジです。 内容は、年を取った兄弟たちが暮らす館に謎の訪問者が訪れ、殺人事件が起こり…というミステリ?過去の事件の犯人を探っているうちに、それぞれの登場人物が疑心暗鬼になり、皆が不審に陥る閉そく感と謎が演習されていますが、う~ん、イマイチ。恩田陸が演劇(脚本)に関心があることは伝わってきました(笑)。 装丁と章立ては凝っているのですが、残念。 評価 可 篠田節子/角川文庫/667円/2012.4.15.読了篠田節子の短編集。 極小ながら人魚のような外観を持つ水棲生物を飼うことがブームに。さらに『マーメイド・リマキナ』を食べることが流行りだし…“リトル・マーメイド” フルートに飽き足らず日本の民俗楽器の世界に踏み込んだ真理が出会った篠笛の名手・貴之。人を狂わせる魔性の祭の音とは…“陽炎” ハウツー本が当たり、生活が一変した和泉。苦労して彼を支えた妻を捨てて、得た年下のかわいい妻を喜ばせるため借金を重ねるが、破たん。元の妻が紹介してくれた治験のバイトに手を出すが…“一番抵当権” どんなに練習しても上達しない、でもやめられず努力を続けるチェロ弾きの友人。連絡が取れなくなった彼を心配し、自宅を訪ねると…“エレジー” 売れない俳優を息子のように可愛がっている私。2人で訪れた島から、サボテンの芽を持ち帰った彼はサボテンに「直子」という名をつけて人間の女性のように接し始める…“刺” なにもかも満ち足りた世界で育てられた子どもたち。名前もなく否定的な感情もなかったM24がたったひとつ望んだこと。それは少年の吹く笛だった…“子羊” 小説家を目指している清一は、美少女が登場するゲーム本を書くことになる。はじめはばかにしていた清一だが、だんだんゲームの世界にのめりこんでいき…“ホワイト・クリスマス” 人工的な環境に環境に囲まれた未来社会。晩年を静かに過ごしたいと望んだ夫婦は豊かな自然と天然の食べ物が得られる「リゾートピア・ムツ」に入居するが…“静かな黄昏の国” 篠田節子はいろいろな本を書いていますが、本質的にホラー作家なのでしょうか。この本に収められた作品はSF的なもの、土俗的なもの、現代の日常生活を舞台にしたもの、と彩りは様々ですが、どれもとっても怖い!のは共通しています。ビジュアル的な描写も心理描写も結末の切れ味もどれも怖くて一級品です。 特に怖かったのは“リトル・マーメイド”。“静かな黄昏の国”も怖いですが、奇形の鹿の描写で、「後ろ脚の付け根から、何本にも枝分かれした小さな脚が出ている」というのが、想像できません。ふさふさした感じ? 評価 良 誉田哲也/双葉文庫/619円/2012.4.13.読了誉田哲也。今、売れてますねぇ。 「ヒトリシズカ」はふしぎな1冊でした。 章のタイトルが“闇一重”“蛍蜘蛛”“腐屍蝶”“罪時雨”“死舞盃”“独静加”。字画が多いだけで、おどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。 物語はひとつの殺人事件からはじまり、そして失踪した少女の行方を追ってどんどん深まっていきます。闇が深いです。 評価 良 辻村深月/講談社文庫/743円/2012.4.13.読了読んだことはない!と確信して、読み始めたところ単行本で読んだことを思い出しました。「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 実母を殺して逃亡している幼馴染を追う主人公。 女同士の微妙な葛藤…格差ってやつです。 母親と娘の葛藤。べったりと仲がいい母娘の仲が反転する衝撃。 でも、離れられない2人。 という話でした。 オビには「辻村深月“第一期”の代表作」とありましたが、第二期じゃないですかね。 評価 良 東野圭吾/文春文庫/676円/2012.4.11.読了本屋に山ほど積んであります。東野圭吾。ガリレオシリーズ、最新刊です。 資産家の夫とパッチワークキルト作家の妻。人をも羨む生活だけれど、「1年以内に子どもができなければ解消」という条件が満たせないため、夫は別れを切り出す。妻が実家に帰っているあいだに、夫が死体で発見される。湯川は内海刑事に協力を依頼されるが…。 自分の弟子が夫の愛人になり、、妊娠している…妻と愛人の心理がじっくりきっちり描かれています。トリックもしっかりきっちり組み立てられています。…実現可能かは疑問ですけど。あんまり物理っぽくはなかったですね。 物語の冒頭の夫の言動がひどすぎます。こんな男なら殺したくなるのは当然!と納得します。非人間的な人物が得意ですね。東野圭吾。こんな人、本当にいるのかしらと思うくらいひどい人物です。夫。 評価 良 喜多喜久/宝島社文庫/571円/2012.4.10.読了「このミステリがすごい」大賞優秀賞受賞作だそうです。 大学院で薬学を専攻している主人公・藤村圭一郎。化学物質の組成がひらめくという才能(超能力?)を持っている彼だが、教授秘書に恋をして、その能力を失ってしまう。そんな彼の前に現われた謎の女性。カロンと名乗った彼女は、能力を取り戻すために、彼の恋を成就させようとするのだが…。 主人公・圭一郎は草食男子&理系男子。と萌えポイントを備えています。彼の不器用な恋のアプローチが読みどころのひとつ。物語の途中に挿入される謎の人物とカロンのやりとり。死期が迫ったその人物の願いが圭一郎の能力を取り戻すこと。圭一郎に思いを寄せているらしいこの人物の正体がもうひとつの読みどころ、ですね。そして、 能力を取り戻した圭一郎を中心にして、教授と大学院生がチームになって研究に取り組んでいるところが、3つ目の読みどころです。 そういえば、圭一郎の恋が叶うのかも読みどころですね。だけど、そのポイントから言えば納得いかないラストでした。純情で一途な圭一郎くんだと思っていたのですが…。 評価 良
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