小泉喜美子/集英社文庫/580円/2009.6.3.読了
オビに「各氏絶賛」とあります。各氏とは、我孫子武丸、綾辻行人、宇江佐真理、千街晶之、貫井徳郎、法月綸太郎というそうそうたるメンバーです。そして、タイトルの「弁護側の証人」がクリスティーのあの名作を想起させます。 というわけで、期待の一冊です。 ストリッパーのミミイ・ロートこと漣子は財閥の御曹司に見初められ、玉の輿に。しかし、当主である義父に気に入られず、初めての対面の場で啖呵を切ってしまう。そして、一族が館に集まった夜、当主が殺害され…。 この本は1960年代に書かれています。なので、描写が時代がかっています。でも、それがなんとも言えないよい雰囲気を醸し出しています。日本でいえば「華麗なる一族」。海外では「レペッカ」と言うカンジ。1960年代は日本人もこんな言葉遣いをしていたのでしょうか。ヒロインはストリッパー(ヌードダンサー)なのに、なかなかインテリで、礼儀礼儀作法などもばっちり。由緒ある家柄の姫君が家の事情で身を落とし、しかし王子様に見初められ、しかしドロドロした人間関係が…という堂々たるメロドラマです。 ミステリとしても一級品です。ネタばれになるので書けませんが、やられたって感じ。こんな名作が埋もれていたとは、まったく意外です。 評価 良
by susitaro522
| 2009-06-03 21:27
| ミステリ
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