水原秀策/宝島社文庫/457円/2009.7.21.読了
下巻です。 そんな報道陣の中で突出しているのが、元女子アナのテレビ記者・相沢菜緒と出世コースを外れた新聞記者・志田浩太郎。事件の解明とともに、この2人の取材活動が物語の軸になっています。主人公を含め、いわゆる正義の人物が登場せず、人間らしい欠点を持っているところがなんだか魅力的です。 事件のほうも二転三転して意外な展開でしたが、個人的に圧巻だったのが、主人公・恭介の演奏シーンを含む、プロのピアニストの力量を描いた部分です。この本の前に読んだ「一瞬の風になれ」もそうでしたが、1つの領域の中で突出した力量を発揮する人たちは、一般人とは違うものを見たり考えたり意図したり、理屈を超えて人を動かす力を持っているものですね。幼い恭介がロシアのピアニストの足にしがみついて泣いたエピソードが天才ぶりを感じるとともに、かわいらしかったです。 おもしろさでは「サウスポ―キラー」→「メディアスター」→「白と黒の殺意」でした。デビュー作を超える作品を期待します♪ 評価 良
by susitaro522
| 2009-07-21 13:25
| ミステリ
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