初野 晴/講談社文庫/971円/2010.1.22.読了
地方都市に住む女子高生・マドカと、美少女(に見える)幽霊・サファイアが活躍する連作ミステリ。町を襲う犯罪者“もりのさる”“ドッグキラー”“ラフレシア”“グレイマン”と彼女たちが立ち向かいます。 ヒロイン・マドカは弓道部のキャプテン、母親を事故で失っている、父親は警察官、喘息の持病がある、という属性を持っています。しっかり者だけど、芯に脆いところがある性格。サファイヤは彼女をサポートしますが、特定の条件を持った人間にしか見ることができず、もちろん物理的な影響を与えることができない(人に触れたり、モノを動かしたり)ので、サポートにも限界があります。無差別に攻撃を仕掛け、町を脅威に落とす犯罪者との戦いとは別に、この2人の関わりやサファイヤの正体、そして他の登場人物なども読みどころです。根底に寂しさ、悲しさを秘めた青春ミステリーでした。分厚いですが、飽きさせません。 ところで、この話は進むにつれて敵(犯罪者)がより悪でより手ごわくなっていく構成になっていることを作者はもくろんでいると思うのですが、個人的には“ドッグキラー”が一番いやな犯罪者でした。 評価 良
by susitaro522
| 2010-01-22 13:35
| ミステリ
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