三津田信三/講談社文庫/714円/2010.12.22.読了
講談社の新刊「作者不詳 ミステリ作家の読む本」を読んでみたくなったので、シリーズ第1作の「忌館 ホラー作家の棲む家」から読んでみました。 編集者・三津田信三は友人からある新人賞に自分の名前を使った作品が応募されていることを知らされる。友人は信三自身が応募したものかと思っていたが、彼にはまったく覚えがない。そんなある日、近所を散策していた主人公は自分の好みの洋館を見つける。廃屋になりかけていたその洋館に、不動産屋を脅すようにして借り、住み始めた主人公だったが、怪異な出来事が起こり始め…。 主人公が編集する雑誌、同人誌に連載する「忌む家」という小説、そして冒頭に登場する謎の小説が絡み合い、恐怖を駆り立てます。洋館の描写も克明…文章からの想像と表紙のイラストからして、シェークスピアの故郷・ストラドフォードアポンエイボンに良くある様式だと思うのですが、違うかも。ともあれ、家に霊がついており、住民の条件が揃った時皆殺し事件が繰り返されるとは恐ろしいです。そんないわくつきの家をイギリスから日本に移築するとはもの好きにもほどがあります。 「忌館」はまあまあおもしろかったし、とっても凝った作りの小説だったので、第2弾「作者不詳」にも期待して読んでみます。 評価 良
by susitaro522
| 2010-12-22 20:30
| ミステリ
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