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インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実

真梨幸子/徳間文庫/648円/2012.12.30.読了

 「殺人鬼フジコの衝動」って、50万部の売れたんですって!この本のオビに書いてありました。そう、これは「フジコ」の続編というか、変奏曲っぽいカンジです。
 読んでいくと、フジコはほとんど登場せず、フジコの従弟・下田健太がメインの人物。いえ、その下田健太の母親がメインです。人の心を操る天才的な才能を持った健太は、何人もの男女を監禁し殺人を犯す。その罪を裁く裁判を追って、テレビ、雑誌の記者たちは右往左往。健太の母親のインタビューを取ろうと、彼女の住まいである寂れた団地を引きも切らず訪れる…。
 母親に振り回され、いつしか団地に閉じ込められ、健太の手中に墜ちる女性雑誌記者の視点で語られるルこの本は、読んでいると、妙な気分に陥ります。真梨幸子の筆力のすごさですね~。そして、メインの主人公はダレ!?…ってことですが、ひょっとしたら団地かもしれません…。タイトルの“セル”は団地を表わしています。もともとは独房の意味だと書いてありました。細胞って意味もありますよね。
 「殺人鬼フジコの衝動」と突き合わせて読めば、おもしろさ倍増に違いないけれど、とっくに手放してしまったのです(涙)。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-12-30 14:14

金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲

赤川次郎、有栖川有栖、小川勝己、北森 鴻、京極夏彦、栗本 薫、柴田よしき、菅 浩江、服部まゆみ/角川文庫/667円/2012.12.29.読了

 現代のミステリ作家たちが横溝正史の「金田一耕助」をオマージュした短編集。
 神田で立ちくらみをした小説家の“わたし”に話しかけてきた男性の正体は?…(京極夏彦)とか。
 推理小説好きの少年が仲よしになった売れない小説家“キンダイチ先生”…(有栖川有栖)とか。
 民俗学を学ぶ“近田一”という男と知り合って…(北森鴻)とか。
 ストレートに金田一耕助ものを書くのではなく、ひとひねりしたカンジが多かったです。
 それにしても、横溝正史ってミステリ作家にも愛されているのですね。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-12-29 19:37 | ミステリ

世界でながい長い写真

誉田哲也/光文社文庫/552円/2012.12.26.読了

 誉田哲也の青春小説。珍しいですね。
 高校生の宏伸はぱっとしない生活を送っている。しかし、リサイクルショップ(&修理屋)を営む祖父の店であるカメラを見つけてから、彼の人生は変わり始める…。そのカメラというのは、ぐるぐる回りながら、長ーい写真を撮ることができるというもの。カメラの持ち主が、長い写真でのギネス記録を持ってることから、高校生活の思い出に、その記録を塗り替えることに挑戦することになります。
 なんかすごーくまっとうな青春小説でした。オビには「武士道シリーズ」を超える感動、とありましたが、登場人物にクセがない分、さらっとしていて超えてません…。女性のようが強くて個性的なところは誉田哲也っぽいかなぁ…。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-12-26 13:58

ぶたぶた図書館

矢崎存美/光文社文庫/495円/2012.12.24.読了

 大人気!「ぶたぶたシリーズ」。今回は図書館が舞台です。
 本が大好きな中学生・雪音。周りから本が好きなことが理解されず、溶け込むために小さいころから苦心してきた。地元の市立図書館の司書・寿美子と仲良くなり、図書館のイベントにアイディアを出すが、落選。雪音のアイディア「ぬいぐるみおとまり会」が落選した理由は、独自性がないからでも、実現が難しいから、でもなく、ポスターのモデルとなるぬいぐるみの魅力!だった…。
 というわけで、ぶたぶたさんの登場です。今回はなかなか出てきませんでした。「ぬいぐるみおとまり会」って初めて知りましたが、外国で始まったらしいですね。子どものだいじにしているぬいぐるみが図書館で一晩過ごして、彼(彼女)が本を読んで過ごした一晩の様子を写真に撮る…というイベントでしょうか?ぬいぐるみが本を読んでいるポーズをつけるのはむずかしそうですが、ぶたぶたさんならまったく問題なく、しかもモデルとして100点満点です!
 本好きな子どもって苦労しますよね。他人は「勉強になっていいじゃない」というけれど、そんな程度は超えた本好きな子どもでした…わたしも。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-12-24 01:37

ペンギン・ハイウェイ

森見登美彦/角川文庫/629円/2012.12.22.読了
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by susitaro522 | 2012-12-22 10:03

塔の断章

乾くるみ/講談社文庫/552円/2012.12.12.読了

 乾くるみの初期の作品でした。
 出版社で、ゲームや音楽とのコラボの企画で、自分の小説がゲームがされることになったヒロイン。出版社の社長の別荘にその企画のメンバーたち8人が集まったが、その夜、社長の妹が墜落して亡くなった。事故死とされていた彼女の死だが、社長はヒロインたちに真相を探るよう依頼する。
 初期の作品でも、仕掛けはきっちりしていました。でも、ミステリ部分より、作中に登場する小説を読みたくなったのは秘密です(笑)。

評価 可
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by susitaro522 | 2012-12-12 08:01 | ミステリ

青銅の悲劇 下

笠井 潔/講談社文庫/790円/2012.12.9.読了

 なんとか下巻に到達。
 むー。ちっとも読み進められません。
 旧家での連続殺人事件、初めは家長(祖父)が毒飲んで、でも死なず。次に長男が撲殺されます。これらの筋書きを書いた小説の概要が発見され、書いたのはだれか、そしていつか。また写しを作ったのがだれか…またまた長々と推理が繰り広げられます。上巻でさんざんやったお酒に毒を入れたのはだれか、そもそも宴席でのお酒に毒が入っていたのか…も下巻で再度長々と論議されます。論理的な謎をメモとか使って解き明かすタイプの読者には大変向いていると思います。
 昭和天皇の死…1960~70年代に青春を過ごし、学生運動にかかわった人々にとっては、天皇は打ち倒すべき権威の象徴であり、いいかえれば父権の体現としての存在だったということもこの本の大きなテーマなのでしょう。たぶん。
 でも、残念ながらわたしはついていけなくて読むのが辛かった…。

評価 可
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by susitaro522 | 2012-12-09 23:33 | ミステリ