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エデン

近藤史恵/新潮文庫/520円/2013.1.29.読了

 近藤史恵の出世作「サクリファイス」の続編。自転車レースの世界を舞台にしています。
 唯一の日本人選手として、ツール・ド・フランスに出場した白石誓。スポーツを題材にしていますが、すっきりさっぱり、カタルシスを得られるスポーツ小説とは一味違います。さすが近藤史恵。
 所属しているチームが解散することになり、今後のことを思い悩み始める選手たちと監督。より有力なチームの選手をサポートをすることで、将来生き残ることを選ぶか、今のチームのエースを支えて優勝を目指すか…という決断を迫られます。相手チームのエースは若くてハンサムな好青年。しかし、彼は黒い噂がまとわりつき…という、人間ドラマでした。
 ツール・ド・フランスって、複雑な競技なんですね。よくわからないながら雰囲気の一端が味わえます。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-29 23:50

夜行観覧車

湊かなえ/双葉文庫/648円/2013.1.25.読了

 今、クールドラマ化されている湊かなえの「夜行観覧車」です。
 高級住宅街で起きた殺人事件を軸に、家族のきずなを描いた1冊。殺人事件の舞台になった家庭はもちろん、その向かいの家族が主体になっています。しかし、一番印象的だったのは、住宅街の主の老婆。老婆というより、奥様ですが、自分が守り育ててきた高級住宅街のステータスを守ることが使命と考えているところが、人間の怖さを感じさせました。そして、この老婆自身の家庭も…ってカンジ。
 湊かなえは今すごく売れてますね~。個人的には、「告白」の衝撃を再度期待したいです。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-25 22:06

スターバト・マーテル

篠田節子/光文社文庫/619円/2013.1.22.読了

 篠田節子って、どんな話なのか読んでみないとまったく予想がつかないです。今回はタイトルから音楽の話…と予想。
 ヒロインはアッパークラスの主婦。乳がんの手術を受けた後です。乳がんをきっかけに死を意識するようになった…と言っても、生きるための努力をするというわけでなく、なんとなく死に親しみを感じているという性格です。スポーツクラブで、中学時代の同級生と再会。彼は子どもの頃、突出した存在でクラスから浮いていた。数十年の歳月を経て、彼は世慣れた様子となっていた。再会後の彼女の微妙な変化に気付いた夫は不倫を疑い始めるが…。う~ん、あらすじを書いていたら、昼ドラマみたいになってしまいました。読み方は人それぞれだろうと感じる奥行きのある話でした。あくまで前向きに彼女を生に向かわせようとする夫と友人。彼らとヒロインの齟齬が、自分的には一番関心が向きました。まっとうな人たちには理解できないし、なんとか説得して考えを変えさせようとする“不健康な”考え・姿勢。そういうものが濃密に描かれていました。まっとうな人って、うっとうしくて暑苦しいです。
 昔の同級生の彼は犯罪に手を染め、それを知った彼女は衝動的に彼を追い…というラストでしたが、この部分は冗長に感じました。しかも、ひっぱってひっぱって、最後の最後はソレかい!?という終わり方でした。
 南のリゾートアイランドでウエディングを描いた“エメラルド・アイランド”も収録されています。2作とも、社会的な背景も人生の綾もしっかり書き込まれていました。そして退廃的。「芸術選奨文部科学大臣賞受賞作品」だそうです。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-22 00:10

大奥 9

よしながふみ/白泉社/638円/2013.1.17.読了
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by susitaro522 | 2013-01-17 21:40

植物図鑑

有川 浩/幻冬舎文庫/686円/2012.1.13.読了

 一人暮らしのOL・河野さやか。道端に倒れていた男に「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です」と言われ、拾ってしまう!この男が料理上手で植物好き。休日、野山に出て、野草を集める日々を過ごすうち、いつしかふたりは…。“イツキ”という名前しか知らない男と同居を始めるというアリエナイ話とも思うし、恋(愛)が始まる時、運命の出会いの時って、そんなものかな。とも思うし。
 とにかく、有川浩の物語を楽しめばよい!という1冊です。タイトルにもあるように、植物とくに“雑草”と呼ばれる草花たちについての知識が得られるし、その野草を使った料理のレシピも読めるお得な1冊でした。
 それにしても…同居していて手を出さないという自制心のある男性っているのでしょうか。いるんでしょうね。たぶん。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-13 02:17

すれ違う背中を

乃南アサ/新潮文庫/520円/2013.1.7.読了

 前科のある女性2人を主人公に描く「いつか陽のあたる場所で」の続編です。刑務所で知り合った芭子と綾香。パン職人を目指してがんばっている綾香に対して、芭子は仕事探しに難航し、引きこもりがちな日々を送っていましたが、ペットショップでの食を得て、働きはじめます。しかも、犬の服を作るという才能を発揮して、やりがいを見つけつつあります…という話を軸にした連作っぽいカンジの1冊です。
 商店街の福引で大阪旅行を引き当てた2人が、つつましく楽しんでいるが、綾香の高校時代の友人に出会ってしまう話とか…この友人の男性の荒みぶりにリアリティがありました。
 惚れっぽくやや軽率な綾香が芭子に引きあわせた男性。物静かで気配りができる彼だが、不審なところがあり、距離を置きはじめた綾香と芭子。その男性の正体は本当に意外でした。こういうことってあるんでしょうか…あるんでしょうね。
 「ぼくの町」に出てくるおっちょこちょいの巡査も登場します。芭子に好意を持っているらしいのですが、疎ましく思われているらしい。がんばれ。
 地味な話だけれど、じっくり読ませます。ドラマ化されるのも納得。キャスティング(綾香=飯島直子、芭子=上戸綾)もいいカンジです。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-07 16:48

演じられた白い夜

近藤史恵/実業之日本社文庫/514円/2013.1.1.読了

 雪に降り込められた山荘で起こる連続殺人事件…といういかにも!なミステリです。登場人物たちが舞台関係者で、舞台の練習のために集った、ということと、脚本をなぞるように殺人が行われるということがミステリとしての特色でしょうか。
 でも、それよりもヒロインの心理描写に引きつけられます。さすが近藤史恵。初期の作品ということですが、やっぱりうまいですね~。

評価 良
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by susitaro522 | 2013-01-01 21:27