チャコズガーデン

明野照葉/中公文庫/629円/2013.4.6.読了

 玉の輿に乗り、吉祥寺の瀟洒なマンションに移り住んだ…と思ったら夫の心変わりであっけなく離婚されてしまった主人公。慰謝料として、マンションを譲り受け、何をする気力もなく過ぎていく日々に身を任せていたが、マンションに新しく移り住んだ親子やトラブルのために、否応なく心の扉を開けることになっていく…。
 「家族トランプ」に続き、明野照葉の第2ステージ?という作風の本でした。都会のマンションなんだけど、そこにはコミュニティーが築かれていき、人々の交流が始まる。夫に捨てられたという事実を隠し、幸せな妻を演じていた主人公も再生を果たすというストーリーですが、登場人物の心理描写の細やかさは、さすが明野照葉でした。
 それにしても、このマンションステキそうです、大手マンション会社の手によるものですが、特別なこだわりのある作り。そして、その中でも最上階の部屋は特別仕様です。う~ん、見てみたい。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-04-06 00:20

金田一耕助VS明智小五郎

芦辺 拓/角川文庫/667円/2013.3.29.読了

 芦部拓によるパスティーシュ。短編集です。江戸川乱歩ファンも横溝正史ファンも根強いですね。最近、複数作家による競作も読んだばかりだし。
 この本はドラマ化もされるようで、見るのが楽しみです。明智小五郎を伊藤英明、金田一耕助を山Pが演じるとのこと。いつの放映?

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-03-29 11:11 | ミステリ

カーリーⅡ

高殿円/講談社文庫/629円/2013.3.25.読了
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# by susitaro522 | 2013-03-25 21:54

隻眼の少女

麻耶雄嵩/文春文庫/705円/2013.3.23.読了

 自殺を決意し、温泉のある山里の宿に身を寄せた主人公・種田静馬。彼は旧家を舞台にした連続殺人事件に巻き込まれる。謎を解決するのは、巫女の格好をした隻眼の少女探偵!
 一族の中の女性が代々神の使いとして村に君臨する…という大時代な設定。そこで起こる首切り殺人事件。自らを「探偵」と名乗る高飛車美少女。その名は「御陵みかげ」。という並べてみるとぶっとんだ設定でした。でも、読者を納得させる説明もちゃんと追加されているので、「ありえなーい」感はあんまりありません。
 名探偵のはずなのに、わりと間違いが多いみかげちゃん。そして、ラストは静馬の情けなさとみかげの非情さだけが印象に残りました。ミステリ部分は忘却…でも、本格好きにはたまらないかも。

評価 良
 
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# by susitaro522 | 2013-03-23 21:11 | ミステリ

風が吹けば

加藤実秋/文春文庫/657円/2013.3.22.読了

 無気力な高校生・健太。女性カメラマンのもとでバイトをすることなったが、撮影中廃ビルから落ちてしまう。目覚めた健太を待っていたのは、30年前の世界だった…。
 いわゆるタイムスリップものですね。彼がスリップした先は、金八先生とハイティーンブギが流行っていた時代でした。地元に乗り出してきた企業と戦う、というのが本筋で、そこになつかしい時代の風俗がたっぷりと詰まっています。ツッパリとかね。
 平成のファッションにこだわり続ける主人公が楽しいです。ズボンをずり下げちゃダメですって。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-03-22 00:13

家族トランプ

明野照葉/実業之日本社文庫/600円/2013.3.14.読了

 30台のOL・風見窓子。平凡に生き、会社の中でも突出したところなく、任された仕事はきちんとこなす彼女。しかし、両親から結婚へのプレッシャーを掛けられ、結婚か自立かを迫られる。そんな彼女が職場の女傑(!)と、親しくなり、彼女の家に招かれる。下町の濃厚な人間関係の中で、飲食店を営む女傑の実家に出入りするうちに、窓子は自分の居場所を見出す…。
 明野照葉といえば、女性の暗部を容赦なく描き出す“イヤミス”の女王。この本が読んでいくうちに、どんないやな展開になるかと期待していますが、まったくちがうラストに。オビにもあるように「イヤミスを封印しても、明野照葉はおもしろい!」でした。女性の立ち位置、心理の機微をきめ細かく描くという点では、今までは変わらないですが、新境地の開拓ってカンジでした。
 それにしても、ヒロインの両親はいやなペアでした。実家からいつまでも出ないヒロインも自立できないと思いましたが、娘を「片付ける」という発想はイヤすぎる。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-03-14 14:07

書店ガール 2

碧野 圭/PHP学芸文庫/667円/2013.3.14.読了

 吉祥寺の書店を舞台に、書店員の女性を主人公にした「書店ガール」の続編です(←1つの文に3回も書店って書いちゃいました)。
 自分の好きな本を売るために、書店員がやっている仕掛けを知ることができて興味深いです。さらにヒロイン・理子が勤める大型書店ができたために窮地に陥ってしまっている、いわば商売敵たちと手を組んでイベントを仕掛ける箇所もスリリングでした。
 スリリングと言えば、副店長との関係。部下として、店長を理子を支えてくれている彼。彼の手腕を評価し、半ば羨み、店長としての自信を失いかけるときもある理子。でも、彼の真意は…。こういう男性といっしょに仕事ができる理子をうらやましくも感じますが、大人の恋愛の厳しさも知るってカンジでした。現実ってそうですよね(小説だけど)。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-03-14 13:30

大絵画展

望月諒子/徳間文庫/648円/2013.3.12.読了

 ゴッホの「医師ガシェの肖像」をいう絵をめぐるコン・ゲーム小説。
 バブルのころにめちゃくちゃな値段で日本企業が名画を買いあさったということが下敷きになっています。う~ん、バブル。そんな時代もありましたね。肝心のコンゲームの部分はちょっと…ついていけなかったです。

評価 可
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# by susitaro522 | 2013-03-12 13:07 | ミステリ

写楽 閉じた国の幻 下

島田荘司/新潮文庫/670円/2013.3.11.読了

 下巻です。写楽とはだれか…という謎に一気に迫っていきます。
 現代の日本人ならば、誰でも知っている浮世絵師・写楽。しかし、彼の正体はいまだに明らかにされていません。1年足らずのあいだに多量に浮世絵を作り、それが大評判。しかし、その前もその後も消息は不明。新人の写楽を、当時の大手出版社とも言えるつた屋が大々的に売り出したのも謎。という謎に満ちた浮世絵師であることは知られていません…?わたしは、高橋克彦の「写楽殺人事件」で知ったのですが、この謎には過去たくさんの人が挑み、たくさんの説が出ています。
 今回、島田荘司が写楽の謎に挑戦!というわけです。彼が、誰を写楽としたのはネタばれになるので書けませんが、なるほど~というカンジでした。作品に社会的な視点を絡める島田荘司らしい観点ですね。情けない男(主人公)と美女の現代と蔦屋視点の江戸時代が交互に描かれる構成も、作品に活力をもたらしています。
 久々に読みごたえのある島田荘司を読めて、大満足です。
 それにしても、回転ドアの裁判と主人公の離婚問題はどうなったのでしょう…。

評価 優
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# by susitaro522 | 2013-03-11 12:30 | ミステリ

写楽 上

島田荘司/新潮文庫/670円/2013.3.9.読了

 「このミステリがすごい」第2位だそうです。久々ってカンジですねぇ~。島田荘司。
 目を離したすきに、回転ドアに挟まれて息子が亡くなってしまった男が主人公。もともと夫婦仲が悪くて、息子の死がきっかけでさらに険悪に…。この男の妻のエキセントリックぶりが延々と描写されます。っていうのは、おいといて、回転ドアの不備が死の原因になったということで、調査団が組まれ、そこにゲストで呼ばれた主人公が出会ったのは、美貌の大学教授。なにもかも失って、生きる望みもなくした男を支えているのは、写楽の謎。この謎を、彼女と解き始めた主人公だが…と言うカンジでしょうか。
 ダメダメ男と外国人の地を引いた美人の組み合わせって、島田荘司、好きですね~。この美貌の描写もすきですね~。
 この本で興味深かったのは、海外で考え出された回転ドアは本来事故が起きないようにアルミを使って軽く作られていたのが、日本の高層ビルで使われるときには、より堅牢により重くなり、それが事故の原因につながったというところです。現実の事件にヒントを得てミステリにするのが、得意な筆者ですが、後のことまできちんとフォローして書いているので、学ぶところが多いです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-03-09 00:39 | ミステリ

マドンナ・ヴェルテ

海堂 尊/新潮文庫/550円/2013.3.6.読了

 「ジーン・ワルツ」を別視点から書いたものです。「ジーン・ワルツ」のヒロインの母親が主人公。産婦人科医をやっている娘に、突然代理母になってほしいと頼まれるのです。驚きますよね。娘が子どもを産めないのは、自分のせいだと感じ、迷った末に代理母を引き受けた主人公・みどり。日々、大きくなっていく胎児に、「だれがこの子の母親?」という思いも湧いて…。
 「ジーン・ワルツ」の内容をぼんやりとしか覚えていないのですが、こちらの主人公(本書では、主人公の娘)の、行動理念が理解できないです。なんのために子どもを作ろうとしているのか…母親のみどりにも理解できないようで、最終的には母娘対決!という箇所もありました。「バチスタ・シリーズ」の番外編とも言える本作と“かたつむり”を舞台にしたシリーズは理解できないところが多いです。
 みどりが通うクリニックに集う産婦たちが別視点から描かれているところは興味深かったです。ぼんやりとしかおぼえていないけど(笑)。

評価 可
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# by susitaro522 | 2013-03-07 12:16

ヤンのいた島

沢村 凜/角川文庫/667円/2013.3.4.読了
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# by susitaro522 | 2013-03-04 19:59

トッカン

高殿 円/ハヤカワ文庫/760円/2013.2.28.読了

 ドラマ化された「トッカン」の続編です。内容はドラマのラストの話でした。
 税金を滞納していた食堂の店主が自殺。残されていた文書には、トッカン・鏡に恫喝され、追いつめられたという内容が!残された妻と税務署の天敵・勤労商工会の弁護士を相手に、ヒロイン・ぐ―子と鏡の級友の弁護士の活躍が始まる…というストーリーです。
 前作は連作短編集ってカンジで、税金を滞納する人たち(悪質な人もいるし、やむにやまれずという人もいますが)と新米税務署員・ぐ―子の関わりを通して、税務署で働く人のお仕事が勉強できました。今回は案件はひとつだし、税金の滞納自体にはあんまり焦点が当てられず、鏡が死の原因を作ったのか否か、がメインになっていたので、ミステリってカンジで読めました。
 そういうミステリとしての読み方もあるし、正義の味方を気取る弁護士のキャラを楽しむのもありだし、ぐ―子と鏡の関係の変化も読み取れるし、鏡の過去もだんだん明らかになるし・・・で、いろいろ詰まっていました。でも、一番心に残ったのは、女性が働くには(仕事の)スキマを探さないといけないというところです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-28 23:04

ぼくとユーレイの占いな日々

柴田よしき/創元推理文庫/680円/2013.2.25.読了

 柴田よしきの創元推理文庫なんて、めずらしー!
 主人公は就職できない大学生・石狩くん。就職活動のためにローンでスーツとパソコンを買い、そのローンのために過酷なバイトをする羽目に。疲労困憊した石狩くんの前に現われた厚化粧の女に、自分の境遇をズバリと当てられ、強引に再会の約束をさせられる…というわけで、その厚化粧の女・摩耶優麗(マヤユーレ)のもとでずるずると働くようになった石狩くんの日々が描かれるミステリでした。
 あ、ユーレは腕利き占い師です。占いの千里眼と見せかけて、実は観察と情報収集と推理のたまものってカンジですね~。ミステリ部分よりも、情けない男・石狩くんと高飛車・ユーレのやり取りがおもしろかったです。それと、おねぇ言葉だけど、敏腕なマネージャーのキャラがお気に入り。そして、もうひとつ気に入ったのが章タイトル。“時をかける熟女”“まぼろしのパンフレンド”“謎の転倒犬”“狙われた学割”“七セットふたたび”。若い人は分からないかもしれないけど、往年の名作SFのタイトルです。苦しいところがまたいとをかし。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-25 03:41 | ミステリ

リミット

五十嵐貴久/祥伝社文庫/667円/2013.2.22.読了

 ラジオの深夜放送に届いた1通のメール。「番組が終了したら、死のうと思います」とという自殺予告を止めようと、パーソナリティとリスナーは走りはじめる…なんて言って、最初にがんばるのはディレクターの男性なんですけどね。予告メールを番組で取り上げるにあたって、ラジオ局の偉い人たちは反対。パーソナリティのカリスマタレントも“自分のキャラじゃない”と拒否されてしまうのです。なかば強引に、そして戦略的にパーソナリティを巻き込んだディレクター。みずからの首を掛けた自殺防止は実現するのか!?
 放送時間というリミットのなかで、メールを送った人間を特定し、捕まえる…というサスペンスフルなストーリーでしたが、なんといってもテレビにはないリスナーとの一体感を描きたかったのでは、と感じました。高校生の時、お世話になりましたよ、深夜放送。
 パーソナリティのカリスマ芸人のモデルを想像する…というお楽しみもある1冊です。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-22 01:59

吉原暗黒譚

誉田哲也/文春文庫/590円/2013.2.21.読了

 誉田哲也の時代物…珍しいですね。
 主人公は吉原が配属先の同心・今村圭吾。花魁ばかりを狙う連続殺人事件が起こり、犯人は黒い狐の面を着けている。殺された花魁は、お金で借りるシステムを作り出したあくどい商人に雇われている女たちばかり。この商人に話をつけ、ほうびの金を目当てに、犯人を追うことにした今村だが…という、江戸時代を舞台にしたミステリです。時代物にすると、科学捜査や組織捜査が出てこないので、ある意味純粋にミステリの要素が楽しめる気がします。
 サイコミステリの要素もあり、江戸時代という社会のシステムを絡めているところもあり、いろんな切り口から楽しめる1冊でしたが、吉原暗黒譚というタイトル通り、吉原と言う一見華やかな世界のダークな一面がいちばん楽しめました。主人公がこだわっている“粋”にこだわるなんて…というところがよかったかな~。
 それにしても、ラストは余韻があるっていうか、どうなったのか気になります。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-21 18:06 | ミステリ

カッコウの卵は誰のもの

東野圭吾/光文社文庫/648円/2013.2.20.読了

 “カッコウの卵”と言えば、「託卵」ですね。別な種類の鳥の巣に卵をうみつけ、育てさせるアレ。というわけで、かつてのトップスキーヤー・緋田宏昌は娘・風美のスキーヤーとしての成長を暖かく見守っている。幼いころに母親が自殺し、男手ひとつで育ててきた親子のきずなは固い…ようですが、そこには秘密がありました。タイトルが示すように、風美は宏昌の子どもではなく、自殺した妻がどこからか誘拐してきた赤ん坊だったのです。妻が遺した新聞記事から、実の両親と思われる夫婦を知っていたが真相を明らかにすることができず、長年思い悩んでいた宏昌。しかし、実の父親と考えていた人物がコンタクトを取ってくる。さらに、その男性が風美が乗るはずだったバスの事故に巻き込まれ、意識不明に…。
 スキー選手そして遺伝子…なんだか初期の東野圭吾を読んでいるようでした(クオリティが低いという意味でなく)。タイトルの「カッコウの卵」が、冒頭に書いた意味以外にも使われているところがテーマの深さを感じました。そのテーマ(自分が持っている才能は、天から預けられた“カッコウの卵”のようなもの)を、強調するためか、もうひとりの主人公とも言える少年が登場しますが、この少年の存在はちょっと不要だったかなーってカンジでした。それと、「犯人はきっとこのヒト!」と思っていたら、見事に外れました。真犯人とされた人の動機が弱いし、能力的・状況的に実行不可能だと思います。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-20 19:59 | ミステリ

自白

乃南アサ/文春文庫/543円/2013.2.15.読了

 警視庁捜査一課の名刑事・土門功太朗が出会った事件を描いた連作短編集。舞台が昭和なので、“ノスタルジー刑事小説”となってました。うう、すごいセンスです。
 なんか「これで終わり?」という話が多くて、ミステリと思って読んだので肩透かしでした。名刑事と犯人の丁々発止のやり取りをじっくり読ませるというふうでもないし、どう楽しめば良いのか謎の本です。

評価 可
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# by susitaro522 | 2013-02-15 00:53

公安捜査員 柳原明日香

黒崎視音/徳間文庫/590円/2013.2.3.読了

 黒崎視音。以前読んでおもしろかった記憶があったので、買いました。「警視庁心理捜査官」の登場人物を主人公・柳原明日香に据えた話のようですが、まったく記憶がない…でも、読みます!
 公安のホープ・柳原明日香は「公一の女狐」とあだ名がつくほど、捜査能力に優れていた。しかし、情事のありさまを録音したテープが何者かの手によって上司に送りつけられ、あっけなく左遷。周囲のさげすみに満ちた視線の中、新たな捜査に乗り出すのだが…。
 警察の中でも、公安は謎に満ちた部署ですね。社会治安を守るとか警察内部の犯罪を捜査するとか、警察の中でも秘密な活動をしている部署?その方法も非合法すれすれ?とか、あらぬ想像をしてしまいます。この小説では、ヒロイン・柳原明日香が公安刑事としての使命に目覚め、卓越した能力で捜査活動をしていくというストーリーの中で、公安について理解することができました。でも、やっぱり怖そうなイメージです…。
 表紙のイラストは、本を読んだあとのヒロインのイメージと全然違います。胸、はだけすぎ!

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-03 18:17

ダッシュ!

五十嵐貴久/双葉文庫/695円/2013.2.3.読了

 高校生男子4人が敬愛する先輩“ねーさん”のために力を尽くす話。“ねーさん”は高校3年生で、卓越した陸上の才能と美貌そしてさっぱりした気性で、後輩男子のハートをわしづかみ…という背景があり、骨肉腫で脚を切断することになった“ねーさん”のもとにせっせとお見舞いに通ったり、“ねーさん”の元彼を探しまくったりする話でした。
 元彼がサーファンの修業のために海外を転々としていて音信不通なので、探しまくるところと、元彼と“ねーさん”を再開させようとする彼らの活躍が読みどころ。ですが、う~ん、ふつう?あんまりスカッとしたカタルシスは得られなかったです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-02-03 18:15

エデン

近藤史恵/新潮文庫/520円/2013.1.29.読了

 近藤史恵の出世作「サクリファイス」の続編。自転車レースの世界を舞台にしています。
 唯一の日本人選手として、ツール・ド・フランスに出場した白石誓。スポーツを題材にしていますが、すっきりさっぱり、カタルシスを得られるスポーツ小説とは一味違います。さすが近藤史恵。
 所属しているチームが解散することになり、今後のことを思い悩み始める選手たちと監督。より有力なチームの選手をサポートをすることで、将来生き残ることを選ぶか、今のチームのエースを支えて優勝を目指すか…という決断を迫られます。相手チームのエースは若くてハンサムな好青年。しかし、彼は黒い噂がまとわりつき…という、人間ドラマでした。
 ツール・ド・フランスって、複雑な競技なんですね。よくわからないながら雰囲気の一端が味わえます。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-29 23:50

夜行観覧車

湊かなえ/双葉文庫/648円/2013.1.25.読了

 今、クールドラマ化されている湊かなえの「夜行観覧車」です。
 高級住宅街で起きた殺人事件を軸に、家族のきずなを描いた1冊。殺人事件の舞台になった家庭はもちろん、その向かいの家族が主体になっています。しかし、一番印象的だったのは、住宅街の主の老婆。老婆というより、奥様ですが、自分が守り育ててきた高級住宅街のステータスを守ることが使命と考えているところが、人間の怖さを感じさせました。そして、この老婆自身の家庭も…ってカンジ。
 湊かなえは今すごく売れてますね~。個人的には、「告白」の衝撃を再度期待したいです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-25 22:06

スターバト・マーテル

篠田節子/光文社文庫/619円/2013.1.22.読了

 篠田節子って、どんな話なのか読んでみないとまったく予想がつかないです。今回はタイトルから音楽の話…と予想。
 ヒロインはアッパークラスの主婦。乳がんの手術を受けた後です。乳がんをきっかけに死を意識するようになった…と言っても、生きるための努力をするというわけでなく、なんとなく死に親しみを感じているという性格です。スポーツクラブで、中学時代の同級生と再会。彼は子どもの頃、突出した存在でクラスから浮いていた。数十年の歳月を経て、彼は世慣れた様子となっていた。再会後の彼女の微妙な変化に気付いた夫は不倫を疑い始めるが…。う~ん、あらすじを書いていたら、昼ドラマみたいになってしまいました。読み方は人それぞれだろうと感じる奥行きのある話でした。あくまで前向きに彼女を生に向かわせようとする夫と友人。彼らとヒロインの齟齬が、自分的には一番関心が向きました。まっとうな人たちには理解できないし、なんとか説得して考えを変えさせようとする“不健康な”考え・姿勢。そういうものが濃密に描かれていました。まっとうな人って、うっとうしくて暑苦しいです。
 昔の同級生の彼は犯罪に手を染め、それを知った彼女は衝動的に彼を追い…というラストでしたが、この部分は冗長に感じました。しかも、ひっぱってひっぱって、最後の最後はソレかい!?という終わり方でした。
 南のリゾートアイランドでウエディングを描いた“エメラルド・アイランド”も収録されています。2作とも、社会的な背景も人生の綾もしっかり書き込まれていました。そして退廃的。「芸術選奨文部科学大臣賞受賞作品」だそうです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-22 00:10

大奥 9

よしながふみ/白泉社/638円/2013.1.17.読了
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# by susitaro522 | 2013-01-17 21:40

植物図鑑

有川 浩/幻冬舎文庫/686円/2012.1.13.読了

 一人暮らしのOL・河野さやか。道端に倒れていた男に「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です」と言われ、拾ってしまう!この男が料理上手で植物好き。休日、野山に出て、野草を集める日々を過ごすうち、いつしかふたりは…。“イツキ”という名前しか知らない男と同居を始めるというアリエナイ話とも思うし、恋(愛)が始まる時、運命の出会いの時って、そんなものかな。とも思うし。
 とにかく、有川浩の物語を楽しめばよい!という1冊です。タイトルにもあるように、植物とくに“雑草”と呼ばれる草花たちについての知識が得られるし、その野草を使った料理のレシピも読めるお得な1冊でした。
 それにしても…同居していて手を出さないという自制心のある男性っているのでしょうか。いるんでしょうね。たぶん。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-13 02:17

すれ違う背中を

乃南アサ/新潮文庫/520円/2013.1.7.読了

 前科のある女性2人を主人公に描く「いつか陽のあたる場所で」の続編です。刑務所で知り合った芭子と綾香。パン職人を目指してがんばっている綾香に対して、芭子は仕事探しに難航し、引きこもりがちな日々を送っていましたが、ペットショップでの食を得て、働きはじめます。しかも、犬の服を作るという才能を発揮して、やりがいを見つけつつあります…という話を軸にした連作っぽいカンジの1冊です。
 商店街の福引で大阪旅行を引き当てた2人が、つつましく楽しんでいるが、綾香の高校時代の友人に出会ってしまう話とか…この友人の男性の荒みぶりにリアリティがありました。
 惚れっぽくやや軽率な綾香が芭子に引きあわせた男性。物静かで気配りができる彼だが、不審なところがあり、距離を置きはじめた綾香と芭子。その男性の正体は本当に意外でした。こういうことってあるんでしょうか…あるんでしょうね。
 「ぼくの町」に出てくるおっちょこちょいの巡査も登場します。芭子に好意を持っているらしいのですが、疎ましく思われているらしい。がんばれ。
 地味な話だけれど、じっくり読ませます。ドラマ化されるのも納得。キャスティング(綾香=飯島直子、芭子=上戸綾)もいいカンジです。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-07 16:48

演じられた白い夜

近藤史恵/実業之日本社文庫/514円/2013.1.1.読了

 雪に降り込められた山荘で起こる連続殺人事件…といういかにも!なミステリです。登場人物たちが舞台関係者で、舞台の練習のために集った、ということと、脚本をなぞるように殺人が行われるということがミステリとしての特色でしょうか。
 でも、それよりもヒロインの心理描写に引きつけられます。さすが近藤史恵。初期の作品ということですが、やっぱりうまいですね~。

評価 良
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# by susitaro522 | 2013-01-01 21:27

インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実

真梨幸子/徳間文庫/648円/2012.12.30.読了

 「殺人鬼フジコの衝動」って、50万部の売れたんですって!この本のオビに書いてありました。そう、これは「フジコ」の続編というか、変奏曲っぽいカンジです。
 読んでいくと、フジコはほとんど登場せず、フジコの従弟・下田健太がメインの人物。いえ、その下田健太の母親がメインです。人の心を操る天才的な才能を持った健太は、何人もの男女を監禁し殺人を犯す。その罪を裁く裁判を追って、テレビ、雑誌の記者たちは右往左往。健太の母親のインタビューを取ろうと、彼女の住まいである寂れた団地を引きも切らず訪れる…。
 母親に振り回され、いつしか団地に閉じ込められ、健太の手中に墜ちる女性雑誌記者の視点で語られるルこの本は、読んでいると、妙な気分に陥ります。真梨幸子の筆力のすごさですね~。そして、メインの主人公はダレ!?…ってことですが、ひょっとしたら団地かもしれません…。タイトルの“セル”は団地を表わしています。もともとは独房の意味だと書いてありました。細胞って意味もありますよね。
 「殺人鬼フジコの衝動」と突き合わせて読めば、おもしろさ倍増に違いないけれど、とっくに手放してしまったのです(涙)。

評価 良
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# by susitaro522 | 2012-12-30 14:14

金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲

赤川次郎、有栖川有栖、小川勝己、北森 鴻、京極夏彦、栗本 薫、柴田よしき、菅 浩江、服部まゆみ/角川文庫/667円/2012.12.29.読了

 現代のミステリ作家たちが横溝正史の「金田一耕助」をオマージュした短編集。
 神田で立ちくらみをした小説家の“わたし”に話しかけてきた男性の正体は?…(京極夏彦)とか。
 推理小説好きの少年が仲よしになった売れない小説家“キンダイチ先生”…(有栖川有栖)とか。
 民俗学を学ぶ“近田一”という男と知り合って…(北森鴻)とか。
 ストレートに金田一耕助ものを書くのではなく、ひとひねりしたカンジが多かったです。
 それにしても、横溝正史ってミステリ作家にも愛されているのですね。

評価 良
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# by susitaro522 | 2012-12-29 19:37 | ミステリ

世界でながい長い写真

誉田哲也/光文社文庫/552円/2012.12.26.読了

 誉田哲也の青春小説。珍しいですね。
 高校生の宏伸はぱっとしない生活を送っている。しかし、リサイクルショップ(&修理屋)を営む祖父の店であるカメラを見つけてから、彼の人生は変わり始める…。そのカメラというのは、ぐるぐる回りながら、長ーい写真を撮ることができるというもの。カメラの持ち主が、長い写真でのギネス記録を持ってることから、高校生活の思い出に、その記録を塗り替えることに挑戦することになります。
 なんかすごーくまっとうな青春小説でした。オビには「武士道シリーズ」を超える感動、とありましたが、登場人物にクセがない分、さらっとしていて超えてません…。女性のようが強くて個性的なところは誉田哲也っぽいかなぁ…。

評価 良
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# by susitaro522 | 2012-12-26 13:58