霧舎 巧/光文社文庫/705円/2010.2.17.読了
“三、四、五角館の殺人”“二、三の悲劇”“人形は密室で推理する”“長い、白い家の殺人”“雨降り荘の殺人”“13人目の看護師”“双頭の小悪魔”というタイトルを見るだけで、嬉しくなってしまう1冊です。新本格の名作の“もどき”です。記憶喪失の吉田さんが、なんらかの条件で名探偵になりきってしまい、周りの人物をその作品の登場人物の名で呼び始めるシーンは爆笑モノです。いきなり“おむつ”と呼ばれて困惑する看護師さんもかわいいですが、動じずに合わせてしまうカレーショップのマスターがなかなかです。 それにしても、名作の“もどき”を書くのって、楽しいけれど大変な作業だと思います。それ自身もちゃんとミステリとして成立し、元の作品の雰囲気を保ちつつしかし二番煎じにならないように…と考えただけでも気が遠くなりそう。 個人的には“双頭の小悪魔”というタイトルがお気に入り。“小”の一文字が付いただけで180度雰囲気が変わりますね。全然怖くありません、双頭の小悪魔。 評価 良
by susitaro522
| 2010-02-17 18:28
| ミステリ
|
ファン申請 |
||