火城

e0014175_1444612.jpg高橋克彦/文春文庫/705円/2010.3.17.読了

 高橋克彦の歴史小説です。主人公は幕末の佐賀藩士・佐野常民。この人の特徴は卓抜な発想力と人を動かす力です。当時は藩を超えて頼みごとなどは常識外にも関わらず、ばんばん頼んでしまいます。で、この人の切り札は男なのにボロボロ泣くこと…人目もはばからず泣き出すので、頼まれた人も困って引き受けざるを得ない、という風に描写してありますが、ほんとうは常民の頼みごとが、佐賀藩という1つの単位を超えて、日本の未来を見据えているということが相手に伝わっているから引き受けたくなるのだと思います。
 印象に残ったことは、1つは佐賀藩主・鍋島閑叟の度量の大きさ。上司にしたい男№10の中に入ります♪もうひとつは小説では書かれていませんが、主人公・佐野常民の後半生。日本赤十字社を設立!の経緯も知りたいところです。作中の登場人物からくり儀右衛門も東芝の前身を設立した人物だそうです。幕末って、超有名人以外にも偉人・偉才がたくさんいたのですねぇ。
 高橋克彦の割と初期の小説だそうです。小説としてはやはり少し物足りないところはありました。

評価 良
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by susitaro522 | 2010-03-17 08:01
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