万城目 学/文春文庫/514円/2010.7.10.読了
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」の万城目学の初エッセイです。 「風が吹くとおけ屋が儲かる」の新しいバージョンを宿題に出された高校時代の思い出、とか ヒット曲のサビの一小節だけを記憶させたCDを宇宙空間に飛ばしたら、とか ゴキブリとの戦いとか 「たてもの探訪」の渡辺篤への敬意と愛、とか よしなしごとがのんびりしてユーモラスな筆致で綴られています。 印象に残ったのは、サラリーマンを辞めて小説家を目指した3年間を書いた箇所。賞におちまくり行き詰った万城目学が「子どものころから見ているこいつらを書いたらどうか」と、書き始めたのが「鴨川ホルモー」だったとは知りませんでした(笑)。 もう1ヶ所の印象的なところはモンゴル体験記。漠然としたあこがれでモンゴルの遊牧民との暮らしを体験した苦難の日々は失礼ながら爆笑ものです。排泄のたびにトナカイの群れに囲まれるとは、現代の日本人にはなかなか耐えられるものではないですね。そして、この体験が「鹿男…」につながっているとは、万城目学恐るべし。 ところで、万城目学って本名だったのですね。てっきりペンネームかと思っていました。 評価 良
by susitaro522
| 2010-07-10 07:48
| エッセイ
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