薄紅天女 上

e0014175_11474270.jpg荻原規子/徳間文庫/590円/2010.8.11.読了

 「勾玉シリーズ」3部作、最終巻です。舞台となる時代はずっと下がって奈良時代。長岡京の時代です。
 坂東の地に住む一族の少年、阿高と藤太は甥・叔父という関係ながら同い年で兄弟のように育った。いつも2人で行動する2人を人々は“二連”と呼ぶ。そんな2人だが、阿高が眠っているときに“ましろ”という別人格が現れ、予言めいた言葉を告げることを藤太は秘密にしていた。
 坂東の地に坂上田村麻呂が蝦夷征伐の途中で訪れ、阿高と藤太も一向に加わることになった。阿高の父はかつての蝦夷遠征で命を落とし、そして母親は蝦夷の巫女・火の女神“チキサニ”だったのだ。蝦夷の一族に連れてこられた阿高は、人々が自分を“チキサニ”の生まれ変わりとして扱うことに困惑と怒りを覚えるのだが…。
 底知れぬ強大な力を持った少年が登場。しかし、自分の力をコントロールできない…そこに少女(水の乙女)が関わって…というパターンが、3作目では複雑な構造になっています。阿高は少年だけれど、うちに女性を隠しており、そしてその阿高と親密な関係なのが血縁の男性(藤太)。阿高と藤太の間には藤太の恋人が割り込んでいます…う~ん、ユングっぽいですね。

評価 良
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by susitaro522 | 2010-08-11 07:51 | ファンタジー
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