薄紅天女 下

e0014175_11593839.jpg荻原規子/徳間文庫/590円/2010.8.11.読了

 「薄紅天女」下巻です。「勾玉シリーズ」3部作もとうとう最後ですねぇ。
 舞台は長岡京、主人公は天皇の娘(親王)・苑上と、上巻とはガラリと変わります。天皇家を災いが襲い続け、苑上の兄(皇太子)も病に冒されています。兄と弟を救うために、少年の姿に身をやつし旅に出た苑上は阿高と出会う。阿高は天皇家に厄災をもたらす存在なのか…という疑念を抱えつつ、阿高に惹かれていく苑上…。
 なんて恋愛小説っぽい要約をしてしまいました♪上巻でも感じた複雑さはここでも継続。少年を救う“水の乙女”の位置づけの苑上は男装して活躍。女性性と男性性が複雑に入り組んだ物語になってます。輝(かぐ)の一族(天皇家)にも闇(くら)が入り混じり、闇の一族の蝦夷(阿高)にも輝の一族の血が流れています。
 主人公の阿高の性格が、前2作と比べると現代人に近くなっていて共感しやすいのと、最後がハッピーエンドになっているのがいいですねぇ。3作の中で一番好きです。巻末に作者と佐藤多佳子の対談が収録されているのもお得感満載です。日本のファンタジー、児童文学について語っています。

評価 良
[PR]
by susitaro522 | 2010-08-11 22:20 | ファンタジー
<< MM9 薄紅天女 上 >>