遺品

e0014175_21515545.jpg若竹七海/光文社文庫/648円/2010.8.13.読了

 若竹七海、唯一のホラー。結構怖いです。
 子どものころから憧れていた職業、学芸員にやっとなれた主人公の私。孤軍奮闘していい仕事をしたいとがんばってきた彼女ですが、不況で勤務先は閉鎖になります。転属を受け入れられず、退職した彼女のもとに、財閥の息子である友人から「金沢の旅館に自殺した有名女優の遺品が秘蔵してある。その整理と展示をしてほしい」と依頼がある。整理に没頭する主人公だが、膨大で異常ともいえるコレクションの主のゆがんだ情熱に恐怖を覚えるようになる。そらに怪異な現象が続発。そして主人公の容姿が徐々に亡くなった女優に近づいていき…。
 その人の物なら何もかも独占し、コレクションしたいという情熱とそれを実現できる権力と財力を持った男と、男にからめとられ逃げ出そうとしてもかなわない才能豊かな女。そんな息詰まるような関係がものすごくうまく描かれていました。怖いです。ラストもひねりが効いていました。若竹七海のホラー、なかなかかも。

評価 良
[PR]
by susitaro522 | 2010-08-13 23:32
<< ファンタジスタはどこにいる? MM9 >>