夜診

e0014175_8514676.jpg霧村悠康/静山社文庫/838円/2010.8.14.読了

 霧村悠康の新刊。シリーズ外の医療もの。殺人や事件が起きるので、一応ミステリでしょうか。
 頭が悪く性格も最悪、色狂いの医者が夜間外来終了後、看護師を強姦しようとして抵抗に遭い殺してしまう…というシーンから始まります。その医師の父親は病院長で卓越した技能を持つ外科医だけれど、医師仲間から誘われこちらもオンナに溺れます。ほっておかれた院長夫人も事務職員の男性の誘惑に負け、…めちゃくちゃな病院です。殺された看護師は退職扱いになっていますが、彼女に片思いしていた美大生が行方を追います。これと、川を漂流していた身元不明の死体の捜査をしていた刑事たちが並行して書かれてるってカンジの本でした。
 医療の暗部をこれでもかって言うくらい書く霧村悠康。大学病院の腐敗した内部を書いた本が多いですが、今回は個人病院でした。この本に出てくる2代目は最悪です。現実には、医師国家試験でふるいをかけられていると信じたいものです。個人病院の内幕、日本でひそかに進行する覚せい剤汚染、殺人の捜査、美大生の淡い恋、そして濃厚な性描写など、雑多な要素がいっぱい書きこまれていますが、散漫な印象はなく楽しめました。

評価 良
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by susitaro522 | 2010-08-14 21:35
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