犬身 上

e0014175_10325629.jpg松浦理英子/朝日文庫/620円/2011.1.18.読了

 松浦理恵子って言えば、足の親指がP(ペニス)になってしまう話を書いた人です。表紙の犬がかわいいので、久しぶりに読んでみました。
 主人公の女性は幼いころから犬が好きで好きで、自分は人間ではなく犬なのでは…と思っています。友人のそんな彼女のことを性別同一性障害ならぬ種同一性障害と呼びます。地方のミニコミ誌である主人公は取材で知り合った女性と飼い犬の関係にあこがれ、「彼女の犬になりたい」と強く望み、そして行きつけのバーのマスターが彼女の望みを叶える…という話です。
 主人公の名前が八束房恵、彼女のあこがれの飼い主が玉石梓…と言うまでもなく「八犬伝」を連想させます。舞台となる地方都市には“犬”の字の地名にあふれ、ふしぎな力を持つマスターのバーの名は“天狼”と、犬尽くしです。
 犬をこよなく愛する主人公が人間だったときに楽しんだ“犬浴”の描写がお気に入り。“犬浴”って、夕暮れの河原を歩くと、散歩する犬たちと次々とすれ違うのです♪
 独特の感性だけれど、緻密で官能的なな描写がリアリティーを感じさせます。

評価 良
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by susitaro522 | 2011-01-18 10:27
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