犯意

e0014175_9501051.jpg乃南アサ/新潮文庫/743円/2011.1.28.読了

 種々の犯罪行為の描写の後、その犯罪についての法律の解説というスタイルの本。短編小説集としても楽しめ、法律の初歩の解説書としても役に立つ1冊です。日本に陪審員制度が導入され、少なからぬ確率で陪審員を務めなくてはならない現状に出版された…という経緯のようです。
 私はもちろん乃南アサの短編小説として読みました。思慮の浅い(いかにも頭が悪い)衝動的な人間が、その場に流されて勢いで犯罪を犯す描写の説得力がすごいです。きちんとした理由があって徐々に犯意を熟成させ、計画的に犯罪を実行することを描写するのは比較的容易…読者に感情移入させたり犯罪に至る経緯を納得させたりしやすいけれど、やっちゃったらどうなるか想像もせず勢いでやっちゃう犯罪を描くのは実はとーっても難しいんだろうと感じ入った1冊でした。

評価 良
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by susitaro522 | 2011-01-28 20:20
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