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虚無への供物 上

虚無への供物 上_e0014175_1229297.jpg中井英夫/講談社文庫/695円/2012.2.5.読了

 重厚なミステリをみっちり読みたい気分。以前読んだことがあるはず。たぶん五色のお不動さんが出てきたはず。でも、「黒死館殺人事件」とごっちゃになっているかも…。
 子どもに色のついた名前を付ける氷沼家。蒼司、紅司の兄弟と藍司の従弟が同居している氷沼家に連続殺人事件が起こると予見し、推理合戦が始まる…。1つ目の殺人は紅司が浴室で、2つ目の殺人は叔父の燈二郎がガス漏れで、いずれも密室状況です。これに対して、語り手の亜利夫、亜里夫の従妹・久生、藍司、藤木田の推理が繰り広げられます。ケレン味たっぷり。昭和30年代の香りたっぷり。ミステリのうんちくたっぷり、SM同性愛の香りたっぷりです。
 お不動さんが出てくるのは、やっぱりこのミステリでした。誰でも知ってる目黒のほかに、目白、目赤、目青、目黄のお不動さんを求めて、都内を探しまわる描写も出てきます。でも、もっとお不動さん前面に出てきたと思っていたのですが、記憶違いでした。

評価 良
by susitaro522 | 2012-02-05 00:16 | ミステリ
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