川口有美子/医学書院/2100円/2012.3.9.読了
久しぶりに別カテゴリの本を。 医学書院という出版社から出ている「シリーズ ケアをひらく」は、専門外の人でも分かりやすく、興味が持てるシリーズです。 「逝かない身体―ALS的日常を生きる」は、ALSの母親を介護した日々をつづるとともに、ALSの人たちの社会的な活動に参加した体験を描いた1冊です。ALSとは筋委縮性側索硬化症のことで、徐々に全身の筋肉が委縮していき、それに伴って運動障害が生じ、発語も目を開けることもできなくなります。最後は呼吸菌がマヒして死に至るという難病です。 動けなくなり、言葉を発することも視線でメッセージを送ることもできなくなっていくにつれて、母親の身体そのものに意識を向けるようになり、身体そのものからのメッセージを受け取るようになる…と言うのが本書のタイトルであり、眼目だと思います。 でも、私が関心を持ったのは著者の人生。優秀な大学を出て、エリートの夫と結婚して、イギリスに海外赴任。子どももイギリスの学校に通わせ始めたところ、母親の発症のため、日本に帰国。介護に専念することになる。その経験を書きつづり、大学院に進学。本の冒頭は「なんかエリートっぽい匂いがプンプンする」って、印象でした。そういう読み方は邪道でしょうか? 評価 良
by susitaro522
| 2012-03-09 10:47
| ノンフィクション
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