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トッカン

トッカン_e0014175_1317624.jpg高殿 円/ハヤカワ文庫/760円/2012.6.19.読了

 税務署の職員が主人公の小説です。珍しいですね。
 ヒロイン・鈴宮深樹は東京国税局京橋地区税務署に勤務する若い女性です。本庁から派遣された特別国税徴収官の鏡雅愛付きになっています。このふたり、鈴宮と鏡が仲が悪い。特別国税徴収官づきの職員は、指名制で鏡が鈴宮を指名したはずなのに。そんなふたりが税金を滞納しているさまざまな人の元へ行き、税金を徴収する…という話です。連作短編集風になっています。
 私は給与所得者なので、税金を滞納すること自体ができないので、まったく未知の世界です。この本によると、たとえばコーヒーショップで、レジを打ったことにして売り上げに含めない、とか。なんとかして逃げきろうとする人たちを、ぐうの音もでないほどやっつけるけっこうコミカルな話でした。
 税を取り立てられることは誰しもいやなこと。その役目を引き受けたヒロインの動機は、実家での体験に基づいた現実的なものだったけれど、鏡との仕事を通して、特別国税徴収官の役割に目覚めていきます。
 彼女が大学の講義で聞いた「一番被害者が多い犯罪とはなにか?」と言う問いが印象的でした。ドラマ化するようなので、楽しみです♪

評価 良
by susitaro522 | 2012-06-19 01:26
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