シューマンの指

e0014175_12502121.jpg奥泉 光/講談社文庫/648円/2012.10.21.読了

 時々読んでみるもののなんだか難しげな奥泉光。あらすじを読むと、ミステリみたいだけど理解できるでしょうか…。
 ヨーロッパに滞在している友人から届いた便りには、高校生の時の友人がピアニストとして活躍しているという情報が記されていた。しかし、彼は指を切断してピアノは断念したはず…という謎めいた始まりです。
 そして、
主人公とその友人が高校生のときの追憶が綴られます。稀有な才能を持った友人。音大を目指す凡人の自分、そして、現実的な能力はあるが俗物のもうひとりの友人。この3人が織りなす微妙な関係を縦軸に、心に浮かぶ音楽が真実で現実に奏でるとそれはレプリカになってしまう…という独特な価値観が絡みます。う~ん、イデア論ですねぇ。
 思春期に、そして芸術家にありがちな観念論が長々とあり、けっこう読み応えがありました。加えて、ミステリ部分もばっちりです。ラストは驚愕!ってカンジで、緻密に組み立てられたミステリです。むずかしいけれど、なんとかついていけましたよ。
 しかし、この本で、一番印象的だったのはカバーのイラスト。鍵盤を模した表紙そしてオビに血まみれの指紋が!!と思ったら、オビを取ってもやっぱり血の指紋が!かっこいーです。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-10-21 01:33 | ミステリ
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