オーディンの鴉

e0014175_1343132.jpg福田和代/朝日文庫/800円/2012.10.27.読了

 東京地検特捜部の検事が主人公。将来を有望視されている若手国会議員の自殺事件を追っていた主人公は、その議員のプライバシーのすべてが暴かれ、インターネットにさらされていたことを探りあてる。さらに、主人公自身にも、その魔の手が近づいて…。
 幼稚な言い方しかできないですが、パソコン、インターネットが発達した現在。個人の生活のすべてを把握し、それを全世界に発信することが可能…という、恐ろしい世の中になっています。ネットやカードで買い物をすれば、その人がどんなものを好み必要としているか分かってしまうし、交通機関や宿泊もカードで生産すればどこに行ったかもわかってしまう。また、そこここに設置されたカメラの画像からどこにいて何をしたかわかってしまう。そして、いったんネットにさらされたら、もう取り返すことができない…怖いです。便利だけど、ひとりの人間の人生を狂わせ、死に追いやってしまう現代社会の陥穽を克明に描いた1冊でした。
 自分のことで想像してみても、どんな本を読んでいるかとか、そもそも本にどのくらいの金額をつぎ込んでいるか…がこのブログからもわかるわけで。そんなこと大した情報ではないけれど、それがあたかも意味のある情報のように取り扱われたら…と思っただけで、ぞーっとしました。

評価 良
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by susitaro522 | 2012-10-27 22:00
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