COMEING OUT

e0014175_18203050.jpg高殿 円/徳間文庫/590円/2012.10.29.読了

 「トッカン」を読んで。「カーリー」を読んで。そしたら、本屋でコレを見つけました。去年出版された文庫です。
 「カミングアウト」というタイトル通り、周囲に知られないよう隠してきた秘密をカミングアウトする話。連作短編集っぽいカンジの構成です。
 “コインロッカー・クローゼット”…女子高生のヒロインは自分のことがだいきらい。自分でないいろんな州所に変身するために、コインロッカーに衣装を隠している。それぞれのコスチュームにふさわしい人格を演じながら、援助交際を続けていたが…。
 “オフィス街の中心で、不条理を叫ぶ”…会社では“デキル女”ファッションのヒロイン。しかしその正体は年季の入ったロリ服好き。年齢的にそろそろ卒業する時期か?ロリータに理解のある男性と結婚して、続けることができるか。悩みは尽きない。
 “恋人と奥さんとお母さんの三段活用”…夫のため、家族のため、完璧に家庭を守ってきたヒロイン。しかし、一大決心して、夫に「抱いてください」といったものの無視される。ネットの世界で、気持ちを理解してくれる男性とめぐり合い、会うことにするのだが…。
 “骨が水になるとき”…46才・独身の井原臣司。将来を考え、墓を買うことにしたのだか、そこでひとりの女子高生・リンゴと出会い、不思議な関係が始まる。
 “老婆は身ひとつで逃亡する”…横暴な夫。夫が定年退職したら、離婚する!と決意してるヒロイン。その日を夢見て、せっせと準備する毎日だが…。
 主人公が次々とかわっていく短編を読むうちに、それぞれの登場人物が重複し、物語がリンクしていることに気付きます。そして、物語はラストの“カミングアウト”“エピローグ”で、結実します!
 高殿円はまだ読み始めたばかりですが、1冊ごとにテーマも登場人物も趣向も違います。引き出しの多い作者さんですね。「COMEING OUT」は、年代も境遇も価値観もバラバラな登場人物たちの心理描写が巧みで、そのどれも共感できたし、物語どうしがリンクしていく手法がみごとでした。おススメの1冊です!

評価 良
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by susitaro522 | 2012-10-29 21:52
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