写楽 閉じた国の幻 下

島田荘司/新潮文庫/670円/2013.3.11.読了

 下巻です。写楽とはだれか…という謎に一気に迫っていきます。
 現代の日本人ならば、誰でも知っている浮世絵師・写楽。しかし、彼の正体はいまだに明らかにされていません。1年足らずのあいだに多量に浮世絵を作り、それが大評判。しかし、その前もその後も消息は不明。新人の写楽を、当時の大手出版社とも言えるつた屋が大々的に売り出したのも謎。という謎に満ちた浮世絵師であることは知られていません…?わたしは、高橋克彦の「写楽殺人事件」で知ったのですが、この謎には過去たくさんの人が挑み、たくさんの説が出ています。
 今回、島田荘司が写楽の謎に挑戦!というわけです。彼が、誰を写楽としたのはネタばれになるので書けませんが、なるほど~というカンジでした。作品に社会的な視点を絡める島田荘司らしい観点ですね。情けない男(主人公)と美女の現代と蔦屋視点の江戸時代が交互に描かれる構成も、作品に活力をもたらしています。
 久々に読みごたえのある島田荘司を読めて、大満足です。
 それにしても、回転ドアの裁判と主人公の離婚問題はどうなったのでしょう…。

評価 優
[PR]
by susitaro522 | 2013-03-11 12:30 | ミステリ
<< 大絵画展 写楽 上 >>