坂木 司/創元推理文庫/743円/2006.3.6.読了
外資系保険会社に勤める坂井司の中学からの友人鳥井真一は自称引きこもり。そんな鳥井を心配して、毎日のように鳥井を訪ね、外に引っ張り出そうとする。口が悪く、人間関係の苦手な鳥井だが、観察眼が鋭くて坂井が話した人々の抱えている謎を解き明かし…。 日常の小さな謎を扱う連作短編集です。探偵役の鳥井は“引きこもり”と言っても、ちゃんと仕事をしているし、スーパーに買い物に行ったり電車に乗って歌舞伎に行ったり、そこそこ行動的です。扱っているテーマはわりとよくあるカンジで、それが生のまま小説に表現されているので、もっと話のなかに埋め込んでほしいと感じるところはありますが、好感がもてる一冊でした。 それぞれの話に登場する人々がそれきりにならずに、後の話にもちゃんと出てくるのがほっとします。対人関係に未熟な鳥井くん(とその鳥井くんから離れられない坂井くん)の世界が広がっているのが分かります。 評価 良
by susitaro522
| 2006-03-06 12:06
| ミステリ
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