稲見一良/光文社文庫/476円/2006.9.24.読了
いなくなった&盗まれた猟犬を探すのを仕事にしている竜門卓を主人公にした連作短編集。猟犬以外は対象としないはずなのに、他の依頼も引き受けてしまうのは竜門の優しさでしょうか…。 傷ついたトナカイとひ弱な少年を捜す“トカチカ、カラチン” 柵を抜け出したワイナラマーが身を寄せたのは流しの男性だった“ギターと猟犬” 伝染病で薬殺処分になる馬と犬を連れ出した厩務員を追って欲しいと頼まれる“サイド・キック” 猟犬を対象にした大規模な窃盗団との対決“悪役と鳩” 解説にも書いてあるとおり、ハードボイルドです。自分の主義をストイックに貫く主人公とその相棒の狼犬…うっとりします。登場する女性の存在もスパイスが効いています。 この本の前作「セント・メリーのリボン」は“’06年度 この文庫がすごい!”の2位だそうです。作品自体は1994年に出版されたものの再版なので、時代背景に古いところはありますが、そこもまた良し。 評価 優
by susitaro522
| 2006-09-24 01:34
| ミステリ
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