笠原 靖/光文社文庫/629円/2007.8.18.読了
本屋で平台に積んであったのが、目に留まりました。 敏腕刑事だった長源寺大志は、定年退職後エキストラの仕事を始める。彼の行くところ事件あり。そしてその傍らには名犬フーバーあり…というミステリの連作短編集です。 主人公の長源寺大志は62歳。現場にいるときには名刑事としてならし、今でも部下たちに慕われその人脈が生きています。武術にも優れ、特に剣道は名人級。つりも上手で穴場も知っています。演技をさせれば、コレがまた上手で、でも本人はエキストラを貫いています。仕事に一途で現役時代は家庭を顧みなかったらしいのですが、なぜか妻とも子ども(成人した一男一女あり)とも仲が良いのです。 パートナーのフーバーは、長男がアメリカに赴任中に手に入れた犬で、クーバーズという珍しい犬種です。ハンガリー原産だそうです。表紙にもあるとおり、真っ白な大型犬。このフーバーがまた賢くて、犯罪者をかぎ分ける能力を持っているし、長源寺の命令には絶対従います。 と、いうできすぎの話です。“仔犬”“老犬ザブ”“山の湯”“黒い狼”“老剣士”“闇に光る目”“フーバーの鼻”“放火”の7編が収録されていますが、最後の方になると、長源寺大志が犯罪者を見逃したりしてすっきりしません。いくら同情すべき犯人とは言え、神様じゃないんだからちょとね。 評価 良
by susitaro522
| 2007-08-18 20:56
| ミステリ
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