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笑う警官

笑う警官_e0014175_2231269.jpg佐々木譲/角川春樹事務所/688円/2007.9.29.読了

 警察官の不祥事が原因で、大幅な人事異動が行われた北海道警察。長期間同じ地域・部署で勤務を継続することが不祥事を生むという上層部の判断で行われた人事異動のために、仕事に不慣れな刑事たちばかりで捜査が行われるという状況になっていた。そんな中で発生した女性巡査の殺人事件。交際相手の刑事が容疑者とされ、しかも、覚醒剤依存で正気を失っていると射殺命令が出る。その判断に納得できない刑事・佐伯は仲間を集め、真相を探ることにしたのだが…。
 北海道警察全体を巻き込んだ大規模な汚職、くさいものには蓋という上層部の意向が透けて見える上層部の指示に抗い、仲間の無実を信じる刑事たちの戦いです。メリットが24時間と限られているのが、緊迫感をあおります。上層部に隠れて捜査をする佐伯たちを裏切っている者の存在もスリリング…なんですけど、一番印象に残ったのは、オヤジギャクばかり言っている刑事さんでした。
 この本はもともと「うたう警官」というタイトルだったそうです。意味が分かりづらいという理由で「笑う警官」に改題したそうですが、「うたう」には(警官仲間を裏切って)自白するという意味があり、私は元のタイトルの方が意味深で好きですね。

評価 良
by susitaro522 | 2007-09-29 15:03 | ミステリ
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