北森 鴻/文春文庫/571円/2009.3.20.読了
「蓮杖那智」とか「冬狐堂」とか「カナリア」とか、いくつかのシリーズ物を持っている北森鴻ですが、これは新しいシリーズです。 人気の花師・佐月恭壱。銀座のクラブのママに、意に沿わぬ注文をつけられ花を活けるのを断るシーンから物語は始まります。このエピソードで、彼が自分のスタイルを固持し、金や権威におもねらないことが伝わってきます。そんな佐月のもう一つの顔が絵画修復師です。 人気が高くしかも寡作な物故作家の孫娘から、パリの街並みを描いた画の修復を依頼されるのですが、その画の下にはもう一つの画が隠されていて…。骨董や絵画…北森鴻のお得意のテーマですね。何が読みどころかって言うと、洋画の洗浄や修復のテクニックでした。もう手に入らない材料を二つ返事で調達する助手の存在も凄いです。 それにしても、この主人公が花師と絵画修復師という2つの顔を持っていることが、ウリのようですが、2つの顔を持つ必然性が分かりません。 評価 良
by susitaro522
| 2009-03-20 09:51
| ミステリ
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