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必然という名の偶然

西澤保彦/実業之日本社文庫/600円/2013.5月読了

 腕貫探偵の登場しない「腕貫探偵シリーズ」でした。
 架空の都市・櫃洗市を舞台にした連作短編集。クイーンのライツヴァルのような架空の都市を持つことはミステリ作家の夢なのでしょうか…。
 なにげない謎や疑問から、長年良く知っていると思っていたはずの意外な一面を知ってしまう…という、人間の自己本位さ、エキセントリックさを味わうことができる西澤保彦っぽい1冊でした。
 腕貫探偵シリーズ、続いてますねぇ。それよりも「タックとタカチ」か「チョーモンイン」を書いてほしいです。お願いです。

評価 良
# by susitaro522 | 2013-05-12 14:32 | ミステリ

チア男子!!

朝井リョウ/集英社文庫/760円/2013.5月読了

 「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウです。直木賞を受賞したんですってね。
 「桐島…」は正直言って、よくわからなかったです。タイトルにある“桐島くん”が登場せず、周辺人物たちが彼を語るスタイルということまでは理解できたのですが、おもしろさはイマイチ感じませんでした。
 で、本作。これはまっすぐな青春スポーツ小説でした。柔道一家に育ち、大学にもスポーツ推薦で入学した主人公の青年。でも、彼がやりたかったのは、自分が戦うことではなく、戦っている誰かを応援することだった…。
 主人公もいっしょにチアをする友人たちも個性や葛藤がくっきりしています。大会と言うゴールも、目標となるチームも、障害になるものさえもくっきりして、読後すっきりカタルシスの1冊でした。
 スポーツ青春小説で取り上げるスポーツもいろいろありますね。一般的には女性がすると思われているものを男子がやるのも、わりと題材として取り上げやすい気がします。どう料理するかが、作家の腕の見せ所ですね。これはまずまず。

評価 良
# by susitaro522 | 2013-05-12 14:25

そっと覗いてみてごらん

明野照葉/光文社文庫/571円/2013.4.25.読了
# by susitaro522 | 2013-04-25 12:13

必然という名の偶然

西澤保彦/実業之日本社文庫/600円/2013.4.23.読了
# by susitaro522 | 2013-04-24 14:20

エール 2

坂木 司、水生大海、拓未司、垣谷美雨、光原百合、初野晴/実業之日本社文庫/600円/2013.4.16.読了

 働く女性が主人公のアンソロジー。2冊目です。登場する職業はスイミングクラブのインストラクター、社会保険労務士、宅配ピザ店長、遺品整理会社社員、コミュニティーFMパーソナリティ、OL。
 働く女性のがんばる姿というよりも、働いている人の姿と自分の知らない職業を読むことができました…って、1と同じ感想です。ミステリっぽい要素が入っている話が多かった気がします。印象的だったのは、ふつーのOLが主人公の最後の作品。会社の屋上から、SOSが発信されている、というfantasyっぽい、でも悲しい話でした。全体を通してみると、1のほうが好みでした。

評価 良
# by susitaro522 | 2013-04-16 13:14